日台稲門会 2013年秋季講演会実施報告

今回は、台湾で最大の発行部数を誇る自由時報の張茂森氏を講師にお招きし、「台湾最新事情」という題目でご講演を戴きました。講演には、会員・会友24名、一般18名、学生27名の計69名の方が参加されました。張氏は、「中国時報」、「台湾日報」を経て、現在「自由時報」東京支局長。日本の新聞・雑誌にも論文 を発表し、日台関係に詳しいことで知られております。

 

講演では、台湾の現状と東日本大震災後の日台関係について、お話しされました。

現在台湾政治史上最大の闘争が馬英九総統と王金平立法院長の間で繰り広げられている。このため社会エネルギーが消耗され、その代価が過大となっている。最近発覚した「食用油事件」などもその例である。余りにも政治的な闘争に傾注したため、こうした大きな問題が、長い間見過ごされていたのではないかと言われている。

台湾人の大多数は、現状維持を願っているが、最近の台湾は経済的に中国に依存しすぎている。このことは、大変危険なことであり、日本にも大きな影響をもたらす。仮に台湾が中国と統一されたら、尖閣諸島どころの騒ぎではなくなる可能性がある。台湾はアジアで最も日本に友好的な国であり、日本は台湾を取り込む施策を考える必要がある。東日本大震災に際し台湾からは200億円を超える義援金が寄せられたが、台湾の人は日本人に対する恩返しと考えている。両国民がお互いに思いやっていることの証明である。震災以降両国民の相互の国への訪問者数は激増している。今後ともお互いの国を思いやることが大事である。尚、講演の詳しい内容については、後日本欄、ニュースレター、会報等でご案内しますので、当日都合で参加出来なかった方々は、どうぞお楽しみにお待ちください。

 

講演会後に開催された「交流の集い」では、会員・会友をはじめ、日台の学生など56名が参加しました。特に若い台湾からの留学生や日本の学生が多数参加し、台湾に多大の関心を持ち、友好を深めたいと願っている一般の方々や会員・会友と交流を深めておりました。今回、交流協会からは小松部長が参加され、講演会でも意見を述べられましたが、懇親会でも台湾からの留学生と話をされていました。これこそが、日台の相互理解と友好に寄与するという当会の設立趣旨に叶うものです。

(担当幹事 北川原宣夫記)