2012年秋季講演会実施報告

今回は、朝日新聞の野嶋剛氏を講師にお招きし、「前台北特派員から見た中台関係」という題目でご講演を戴きました。講演には、会員・会友28名、一般27名、学生10名の計65名の方が参加されました。野嶋氏は、2007年から3年間台北特派員を務め、中華圏における政治、外交、文化などの分野で、取材・執筆を続けております。

時まさに尖閣諸島問題の真っただ中で、参加者も集中して野嶋氏の講演に耳を傾けました。この問題は、単なる日中間の問題と捉えるのではなく、日米中台関係の視点から見るべきである。日台の境遇は、米中の狭間におかれているという意味で類似している。共に米国の庇護にあり、島国であり、自由民主主義国であり、中国と向き合わざるを得ないという共通点がある。

馬英九政権は、和中親米友日を掲げており、中国は台湾の離れる心をどう食い止めるかに腐心している。この様な状況下で特に日本は台湾との関係に注視し、懸案となっている漁業権の問題を早期に解決し、馬英九総統の提唱する「東シナ海平和イニシアチブ」を真剣に検討すること等を持って、中国を牽制することが大事である等のお話がありました。

その後、質疑応答に入りましたが、終演時間が近づき、途中打ち切りとなるほどの盛会となりました。

(担当幹事 北川原宣夫記)