平成27年度秋季講演会 及び交流の集い 開催報告

当会主催の秋期講演会及び交流の集いが、2015年11⽉14⽇(⼟曜⽇)午後4時から、早稲⽥キャンパス22号館で開催されました。
先ず講演会では台湾・可⽶製作股分有限公司Comic Production の⽊藤奈保⼦⽒を講師にお招きし、「台湾ドラマにおける⽇台コラボレーション」と題する講演が⾏なわれました。⽊藤講師は現在、台湾・可⽶製作では唯⼀の社⻑専属⽇本⼈スタッフとして、台湾ドラマにおける⽇本とのコラボを担当されております。
台湾では⽇本の漫画に⼈気があり、それらの作品を原作としたドラマが数多くを制作されています。例えば、「花より男⼦(だんご)」(神尾葉⼦:作・画)は⽇本に先駆け台湾でTVドラマ化され(「流星花園(りゅうせいはなぞの)-Meteor Garden-」)、アジア各国で⼤ブームを巻き起こしました。(⽇本ではその後「花燃ゆ」の井上真央、松本潤(嵐)主演でTVドラマ化。)
⽊藤講師が最近⼿がけられた作品に、台湾ドラマ「流氓蛋糕店 〜CHOCOLAT〜」(窪之内英策:作・画「ショコラ」)という作品があります。⾜を洗った元ヤクザが亡妻を偲んでケーキ屋を開くのですが、そこに⻑澤まさみ扮する亡妻の(元夫との)娘が⾶び込んできて⼀緒に⽣活をする、というコメディ物、これもアジア各国で放映されているそうです。
⽊藤講師が感⼼されたのは、⻑澤まさみの俳優としてのプロ根性と努⼒。⽇本で育った台湾⼈と⽇本⼈とのハーフという設定にし、多少中国語が完璧でなくともOKだったのですが、毎⽇深夜までかかって台詞を⽿から丸暗記し、90分を15話分全編中国語で演じ切ったそうです。なおかつ共演者の台詞まで理解していて会話がとてもスムーズに進み、スタッフも称賛しきりだったとのこと。彼⼥はその後、ジョン・ウー監督「THE CROSSING太平輪」(⽇本未公開)、是枝裕和監督「海街diary」(2015年キネマ旬報第4位)と⽴て続けに出演、現在はNHK⼤河ドラマ真⽥丸」にヒロインきり役で登場していますね。
※「流氓蛋糕店 〜CHOCOLAT〜」はレンタルDVDもあるそうです。さて、⽊藤講師はこのほか、台湾での⽇本とのコラボの課題についても説明されました。ただ闇雲にコラボすればいいということではなく、お互いを理解しつつ進めるべきだと。思わず、台湾⼤好きだけでは台湾との関係も深化しないのでは、と⾃省した次第です。なお、詳しい講演内容につきましては以下をご覧ください。
※講演資料:「台湾ドラマにおける⽇台コラボレーション」

講演会には来賓3名、会員・会友17名、⼀般10名、学⽣27名(台湾留学⽣・⽇本⼈学⽣)の57名が出席し、盛会の裡に終えることができました。テーマが台湾ポップカルチャーということで当初は分かるのかいなと⼼配しましたが、学⽣の反応には⼿応えを感じました。今後も台湾―⽇本の⽂化交流をテーマにした講演を企画したいと考えております。

講演後は3階ラウンジに会場を移動しての交流の集い。萩原会⻑の開会の辞に続き、来賓の柿沢未知・交流協会総務部⻑によるご挨拶と乾杯のご発声に続き、⽊藤講師にも改めてご挨拶を頂き歓談に⼊りました。⽊藤講師を囲んでの学⽣の輪が引きも切らず、⾷事も満⾜に摂れなかったご様⼦。歓談ののち、台北駐⽇経済⽂化代表処教育部・⻩聖明様、早稲⽥⼤学国際部事務部⻑・⼾枝久郎様はじめ、学⽣団体(WTSA,⽇台学⽣会議)、他の出席者の皆様が紹介されました。交流の集いには来賓3名、会員・会友16名、⼀般11名、学⽣25名の55名が参加し、最後まで親しく懇談され、別れを惜しみつつ散会しました。)
―講師Profile―
⽊藤奈保⼦(きどうなほこ) 1999年3⽉ 早稲⽥⼤学第⼀⽂学部史学科⽇本史専修卒業、99年4⽉ NTT東⽇本株式会社⼊社、2002年3⽉ 同社退社、2002年4⽉⽇中学院本科⼊学、2005年3⽉ 同学院本科研究科卒業、2005年4⽉ コミックリズ(株)⼊社(台湾ドラマ配給会社で台湾ドラマの買い付け及び⽇本原作の台湾での映像化における台湾製作チームとの調整を担。) 、2011年8⽉ コミックリズ (株) 退社
現在所属:可⽶製作股分有限公司Comic Production Co., Ltd. Special Assistant to CEO
台湾ドラマ制作における⽇本との協業担当。台湾、⽇本双⽅にとつて良い結果を⽣み出すコラボレーションを探し、折衝、実⾏しています。

                                                          (齋藤 晃 記)

 



台湾ドラマにおける日台コラボレーション